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#VINYLを創刊しました

#VINYLを創刊しました

レコードのある暮らしを楽しむためのインディペンデント・マガジン『#VINYL(ヴァイナル)』を創刊しました(8月5日より発売中)。

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いまは世界的なレコード・ブームですが、海外では「Record Bar」「Vinyl Bar」と呼ばれる、レコードをハイエンド・オーディオで聴かせるBARやカフェが数年前から少しずつ増えています。これはアメリカやイギリスといった特定の国だけの現象ではなく、ヨーロッパ、北欧、東アジア、南米と世界全域に拡がっています。

そして面白いことに、そういう店の多くが日本のジャズ喫茶やジャズバーにインスパイアされたことを公言しています。ジャズ喫茶はこれまで日本独自の文化といわれていたのですが、そのスタイルに感化されたり、ビジネスのヒントとして受けとめられているようです。

こうした店はジャズをレコード・コレクションの中心に据えていることが多いのですが、ジャズだけにとどまらず、そこからロックやソウル、R&B 、ヒップホップとジャンルをクロスオーバーさせているパターンが大半です。環境音楽やニュー・エイジ・ミュージック、クラシックなどをかける店も登場しています。

『#VINYL』はこうした世界的な動きが目に見えてわかるようになってきた昨年の春から準備をはじめました。そして最初の取材からおよそ1年半を経て、ようやく創刊できました。本来なら取材から発行までは2カ月もあれば十分なのですが、その間、取材店の閉店や新型コロナウイルス禍の影響など、諸々の事情が重なり予定よりもずいぶんと遅れてしまいました。しかし遅れてしまったいちばんの理由は「いま、なぜこの雑誌を出すのか」という答えがなかなか見つからなかったからでした。世界的なトレンドになっているからとか、いま流行っているからというだけでも十分な理由になるはずですが、そうはいっても、「これって読む価値や意味があるのかしら」という疑問が自分の中にあるうちは、なかなかモチベーションが上がらなかったというのが正直ありました。

発行のきっかけとしては、やはり新型コロナウイルスの影響が大きかったと思います。多くの人たちの経済活動や文化活動がむりやり止められている状況下で毎日過ごしているうちに「いま出したい」という気持ちが自分の中で高まってきました。この冊子は、取材から撮影、原稿執筆、デザイン、DTPまで、印刷工程以外はすべて私が独りでやっているのですが、外に出ていく経費が取材実費と印刷代だけなので、ビジネスモデルとしては、少額予算で継続的に発行できる仕組みになっています。いまの苦しい時代で、このようなDIYでどこまでできるものなのか知りたい、という気持ちも大きかったです。

創刊号では、レコードをたんなるBGMではなく、きちんとしたオーディオ・セットで本気で聴かせている店を5軒、東京、静岡、愛知、滋賀からピックアップして紹介しています。ハードコアなマニアだけを対象とした内容ではありませんが、かといってマニアックな知識なんてどうでもいいというスタンスでもありません。この冊子をきっかけに少しずつレコード再生の世界に関心を持っていただければと思いますし、また、いまレコード再生にこだわっている人たちの世界を伝えることができればと思っています。また、本文は和文と英文の2カ国語で掲載されています。『ジャズ喫茶案内』VOL.1,VOL2を出したときに海外からのご購入問い合わせが多かったため、今回はこのような仕様となりました。

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東京・代官山蔦屋書店さんが、8月5日(水)から『#VINYL』創刊に合わせて「代官山JAZZ喫茶」と銘打ったジャズ喫茶やジャズ関連書のフェアを開催しています。弊社の『#VINYL』創刊号と『ジャズ喫茶案内VOL2 いーぐるの物語』、私が「東京ジャズ喫茶案内』という26ページに及ぶ記事を寄稿したギリシャ発ファッションカルチャーマガジン『KENNEDY』東京特集号、取材リスト作成などで編集協力をさせていただいた『日本JAZZ地図』(交通新聞社)など、ジャズ喫茶やジャズ関連の書籍を中心に、代官山蔦屋書店音楽フロアのコンシェルジュおすすめのレコード、CD、そしてグッズなどが販売されています。また喫茶店のショーウィンドウをイメージしたひらのまりさんのステンドグラスアートも展示されてカフェの雰囲気を盛り上げていただいています。フェアの期間は8月23日(日)までです。

これまで当社とはまったく取引のなかった蔦屋書店さんなのですが、音楽フロアご担当の河合さんから企画を打診されて、もちろん喜んで開催をお願いしました。当社のような超零細パブリッシャーとこのようなコラボレーションをしていただくというのは、破格のことです。しかもお取引条件も他店とまったく同じで、特別な値引きを要請されたわけではありません。もう、代官山の方角には足を向けて寝られないです。

また、『ジャズ喫茶案内VOL1』のときには200冊以上を売っていただいたディスクユニオンJazzTokyoさんも創刊初日から店頭で強力プッシュしていただいています。ちょっと話が外れますが、ご担当の伊藤一樹さんはエンタメ、演芸マニアでもあって、 昨年には『落語レコードの世界』(DU BOOKS)という本を上梓されています。落語から漫才まで700枚以上のレコードがオールカラーで掲載されていて、とくに昭和の落語、演芸ファンの方には資料的にもおすすめです。

『#VINYL』は当面は不定期刊行です。実際に創刊号を出してみて、すぐにやってみたい企画が4,5本浮かんできました。できれば今からでも取材にとりかかりたいと思っています。ただ、私自身が基礎疾患を抱えていて、家族にも同様の者がいることを考慮すると、次の取材の見通しがいまはちょっと立たない状況です。とはいえ、この冬までには次号を出したいと考えています。

そして『ジャズ喫茶案内』の第3号ですが、こちらもすでにテーマは決まっているのですが、これもまたコロナの前に足踏みをしている状態です。

いずれにしても、『#VINYL』をなんとか創刊できてよかったです。

『#VINYL』『ジャズ喫茶案内VOL2 いーぐるの物語』は現在、当社ECサイトにて販売しています。また、ディスクユニオンの通信販売でもお取り扱いをいただいています。
お取り扱いをいただいてる書店、販売店は下記のとおりです。

【お取り扱い書店(50音順)】 
宮城・仙台「あゆみBOOKS仙台一番町店」
東京・代官山「代官山蔦屋書店」
東京・御茶ノ水「ディスクユニオンJazzTOKYO」

東京・吉祥寺「ディスクユニオン吉祥寺ジャズ館」

神奈川・横浜「ディスクユニオン横浜関内ジャズ館」

【お取り扱い喫茶店、ショップ(50音順】
埼玉・久喜「珈琲パウエル」
愛知・名古屋「ジャズ喫茶バリレ

滋賀・大津「ユースホステル和邇浜青年会館」

最後に、今回の創刊号で取材させていただいたのは次の5軒です。

愛知県名古屋市 ジャズ喫茶バリレラ

東京都渋谷区 INC Cocktails

東京都渋谷区 record bar 33 1/3rpm

滋賀県大津市 コーヒーショップ・イン・ユースホステル和邇浜青年会館

静岡県浜松市 トゥルネ・ラ・パージュ

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JAZZ CITY LLC
「ジャズ喫茶案内」運営管理会社。雑誌、書籍、ウェブなど各種メディアの取材、撮影、原稿執筆、編集を承ります。お問い合わせ、お仕事のご依頼、連絡先⇨mail@jazzcity.jp

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