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ジャズ喫茶案内創刊号売り切れました

ジャズ喫茶案内創刊号売り切れました

『ジャズ喫茶案内』創刊号がこの9月末に売り切れとなりました。

この創刊号は東日本大震災の津波によって被災した岩手県陸前高田市のジャズ喫茶「ジャズタイムジョニー」の再建支援を目的のひとつとして昨年11月に発行したもので、売上金の中から一冊につき500円を「ジャズタイムジョニー再建実行委員会」が管理する支援口座に寄付するという趣旨でした。

おかげさまで売上冊数は合計で711冊を数え、1冊につき500円の募金ですので

募金総額は711冊✕500円=35万5千5百円となりました。

「ジョニー再建委員会」のホームページにもこの最終収支の報告がされていますので、こちらでもご確認いただけます。

創刊号をお買い上げくださった皆様、そして宣伝してくださった方々、ほんとうにありがとうございました。

創刊号の印刷部数は1,000部でした。

ところが納品後に製本の不具合が判明し、印刷会社に相談したところ、無償で1000 部を刷り直していただきました。

刷り直してもやはりまだ不具合が解消されないままのものもありましたが、もともと当方の品質への要求が厳しいものであったこともあり、さすがに再度の刷り直しを要求するのははばかられましたので、検品して不合格と判断したおよそ約100冊は廃棄処分としました。

合格したもののうち、100冊を「ジャズタイムジョニー」に寄贈したのを含めて約150冊を献本に使い、711冊を販売し、残りの約30冊を社内保管用としました。

今回は通常の流通手段は使わず、自社ECサイトとごく一部の書店での販売のみでしたが、完売できたのは、ひとえに読者の皆様と書店のおかげです。重ねてお礼を申し上げます。

「買い取り」という厳しい条件にもかかわらず、販売にご協力してくださった書店は次の5店です。

岩手・一戸「一守書店」

岩手・石巻「石巻 まちの本棚」

宮城・仙台「あゆみBOOKS仙台一番町店」

福島・郡山「GoGo Round This World! Books & Cafe

東京・御茶ノ水「ディスクユニオンJazzTokyo

また、ジャズ喫茶では以下の2店が店内にて販売をしてくださいました。

埼玉県久喜市のジャズ喫茶「珈琲パウエル」

宮城県名取市のCoffee& Session PABLO

販売の内訳を集計してみると、書店での売上が計345冊、自社ECサイトや直接の申込みによる販売が計366冊でした。

ECサイトでの決済がカードのみということもありますが、やはり書店の売上はいまだに大きいですね。

柳澤昌英さんをはじめ岩手県内の人たちが「ジャズタイムジョニー再建実行委員会」を立ち上げて募金活動を始めたのは2017年2月でした。

この動きを知ってウェブサイト「ジャズ喫茶案内」では、同年3月11日に「ジャズタイムジョニーへのご支援をお願いします」という記事をアップしました。

その後、2017年9月には大阪のジャズ喫茶「ディアロード」にて、ジャズ喫茶ファンの増田玄洋さんや柳川道一さんと「東北ジャズ喫茶の魅力を語る」と題したトークイベントやKamebluesさんが制作している小冊子『亀の東北ジャズ喫茶巡り』の展示を行い、大阪のお客さんや「ディアロード」とそのお知り合いの店の「ガロート珈琲」から支援金をいただきました。

募金活動がテレビや新聞などのメディアで取り上げられたこともあって 2017年秋頃までは募金も順調に増えていきましたが、2018年に入ったころから勢いを失い、募金も伸びを欠くようになりました。

そんなころに、見知らぬ人から1通のメールが当方に送られてきました。

「募金ももうあまり増えなくなりましたね。もしこのまま目標金額に達成しなかったら、募金はどうするつもりですか? 返さないつもりですか? 募金を煽るだけ煽って無責任ではないですか? どうするつもりか説明してください」といった内容のものでした。

メールの送り主は、募金者ではないようでしたが、私たちの募金運動そのものが気にいらない、癪にさわるという感じでした。

そのメールを読んだときに、「このままで終わらせてはならない」と思いました。そして募金運動の火を消さないために思いついたのが、売上金の一部を寄付する『ジャズ喫茶案内』という冊子を発行することでした。

その後『ジャズ批評』No.207で支援活動を取り上げていただいたり、神奈川県横浜市のジャズ喫茶「Tommy’s By The Park」が自主制作CDとのコラボレーション企画を展開するなどして、活動の火を消すことなく続けることができました。

最近になって知ったことですが、再建委員会代表の柳澤さんのもとにも、当方に来たような心ないメールが毎週のように届いたそうです。柳澤さんは、それを無視することなく、悪い噂が広まぬようにと毎回丁寧に返信をしていたそうです。

その後、今年も8月に入り、仮設店舗「ジョニー」の入居期限が迫ったときに、ある方から高額の寄付金をいただくことが決まり、ギリギリのところで目標金額の800万円を達成することができました。柳澤さんをはじめ、「ジョニー」のことを気にとめていた皆さんが最後まであきらめずに粘ったことがこのような幸運を招くことができたのだと思います。

いま「ジョニー」は、新しい店舗建設のための作業を急ピッチで進めているそうです。今後の動向については、再建委員会のホームページをご覧になってお見守りくださいますよう、お願いします。

文:楠瀬克昌

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